2009.2 読書の不安
* カシミアおやじから *
友人に借りた池波正太郎の文庫本、鬼平犯科帳を20年ぶりに読みました。面白くて全28巻をひと月ぐらいで読んでしまいました。
読書の時間は、休日以外は基本的には通勤時間などの電車の中です。しかし、武蔵小金井から吉祥寺までの朝の中央線は文庫本でも読める余裕はない『押しくらまんじゅう』の混雑状態ですから、本を読めるのは井の頭線の始発の吉祥寺から渋谷までの間。おかげでいつもは憂鬱な通勤がとっても楽で、目的地についてもまだ乗っていたい(読みたい)というぐらいでした。
読書好きというより、どっちかというと読書癖に近い(人にも言われます)と思いますが、最近は電車のシートに座って読んでいるとついウトウトしてしまうことが結構あります。
冬場の電車のシートはぽかぽかして温かいんでついウトウトなんですが、20代から58歳の今まで、通勤電車が図書館がわりで、本を読んでいてウトウトすることなど絶対になかったんですが、やっぱり歳のせいなんだろうかと危惧しています。
読書は、仕事などの勉強になる(と自分では思っている)本が主ですが、池波正太郎は完全に娯楽です。 池波の作品は大好きでほとんど読みました。中でも『剣客商売』が大好きで今までに4~5回は読んだと思います。爽やかな文章で透明感のある風景描写、水戸黄門みたいな勧善懲悪のストーリーで気楽に読めます。同じ小説を5年おきぐらいに読むとだいたいのあらすじは覚えていても詳しくは忘れてしまっていて、新鮮な感じがしますが、その忘れぐあいに結構不安になります。
今回、約20年ぶりに読んだ鬼平犯科帳は登場人物の一部以外はきれいに忘れていて、全く初めて読む感じでとっても面白かったんですが自分の記憶力の無さに愕然となってしまいました。本を貸してくれた友人に話すと、『自分も同じ!』と言う返事で少し安心しました。でも希望的気休めかも知れません・・・。
池波正太郎などの時代ものや歴史ものはオヤジ特有の読み物と思っていたんですが、この頃は女性に人気があるようで、今回鬼平犯科帳を貸してくれた友人も女性です。
女性もとうとう歴史の面白さに気付いたのか・・・。