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2009.10 各駅停車の旅

* カシミアおやじのたわごと *

旅が好きで最初に就職したのが旅行会社で、主に海外を駆け回っていました。どんな旅も好きですが特に鉄道の旅が好きです。

 僕にとっては鉄道は旅の原点のようなもので、高校を卒業し九州から東京に出てくるとき、出来るだけ多くの処を訪ねたくて、そして長く列車に乗りたくて、島原から各駅停車の列車で1週間ぐらいかけて上京しました。 当時、長崎からは寝台特急『さくら』『はやぶさ』や寝台急行『雲仙』などがありましたが、早く着く為に特急券や寝台券を買うという気持ちは全く頭にありませんでした。もちろん高価な飛行機など論外です。でも毎日の通勤列車は僕でもうんざりですよ。

 旅は遠いところほど旅情が深まりますが、出張に重なるせいか新幹線は殆んど旅情を感じません。新幹線を乗り継いでローカル線に乗ったとたんに『旅に出た!』と嬉しくなります。

 列車の旅は基本的には、一日中のんびり車窓を眺めて過ごします。出来るだけ各駅停車で。一応は外を眺められる日没までが原則です。急ぐ旅でもなく、一応は時刻表を調べますが、その日の気分で行き先を決めるという行き当たりばったりのいい加減な旅行です。

 4年前に旅した北海道は印象深いものでした。初日は、山形で仕事を済ませて秋田で泊まって、翌日奥羽本線で青森まで行き青函トンネルを潜って北海道にはいり、北海道7日間乗り放題の切符を使って思うぞんぶん列車を堪能しました。7日目に青森に帰ってきたら一日時間があったので、三陸鉄道で陸中海岸をトコトコ下りて仙台まで出て新幹線で帰ってきました。

 一昨年は、自宅の武蔵小金井から各駅停車で一日かかって白馬まで行き、その後富山から列車とバスで能登半島の先端まで行って白川郷と高山を回って帰ってきました。出発するときは最初の白馬しか頭になかったので旅が終わって自分でもビックリです。

 もちろん毎回、カミさんもお誘いするんですが、いつも私から各駅停車の話を聞いているので、応えは100%『ケッコウ(ノー)』です。ま、こんな旅に一緒に行く人はいませんよね。自分でも変わった奴と自覚していますから。

 その代わり、列車に乗っていると、時々カミさんからの携帯が鳴って『今、どこ?』、どこどこと答えても『ふう~ん』と僕の体のことなどは気を使いながらも、『一日中電車に乗って、なにが面白いんだか?』と全く興味なさげです。

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