2014.9 自分の誕生日には、お母さんにありがとを言おう
* カシミアおやじのたわごと *
還暦はとっくに過ぎて誕生日を祝ってもらう年でもなくなりましたが、今回はみなさんに誕生日の提案です。
母を亡くして10年以上になりますが、30代のころから続けていたことがありました。それは『自分の誕生日には田舎の母に電話する』ことでした。
大正生まれの母は古いタイプの日本人でした。我が子は一人前にして世に出すのが常識だった頃です。やんちゃだったので怒られてばっかりでしたが、愛情たっぷりの中で、厳しく躾けされた覚えがあります。
我々夫婦は記念日に疎く、誕生日や結婚記念日は頓着なしで、毎年、『おめでとう』云うだけで、普通に過ぎてしまいます。自分たちに子供がいないのもあるかもしれませんが、結婚記念日もやったことがありません。
そんな超ずぼらな私が、『今日は俺の誕生日だから、おふくろに電話しなくちゃ』と田舎に電話するようになったのはちょっとしたきっかけでした。
30歳代、出張先のホテルで視たTVの出産シーンで、産みの苦しみで生まれてきた赤ちゃんに、『生まれてきてくれて本当にありがとう』と言った言葉に、思わず『こっちこそありがとう!』と返事を返していました。
そうだ!『誕生日って、俺をこの世に生むために母さんが苦しんでくれた日なんだ、俺の方が母さんにお礼を言わないとおかしい』、と思ったのがきっかけです。
普段は電話もかけても来ない息子が突然、『今日の僕の誕生日は母さんが苦しんで僕を生んでくれた日だから』と電話でお礼を言ってきたので、本当に驚いて喜んでくれました。 その後毎年の電話には、お礼の言葉はなくても、それを言うために電話してきたということを察して喜んでくれていたようです。
兄の家でもある実家に電話すると、姪っ子が懐かしい島原弁で、『バアチャンは朝からマッチョラシタトよ!』といって取り次いでくれました。
『カズね!。今日はアンタの誕生日だもんね、そいで電話くれたっとね。あんたこそおめでとね!ありがとね!』。
私は忘れそうになっていても、母の方は決して忘れず毎年僕からの電話を待っていたそうです。
残念ながら今はお礼を言う両親が亡くなってしまいましたが、貴方のお母さんが健在でしたら、是非お勧めします!貴方からお母さんに『生んでくれてありがとう』と伝えられることを。
『おめでとう』と言われるより『ありがとう』お礼を言ったほうがずっと気持ちがいいですよ。
誕生日にはケーキは付き物だけど、『お母さんにありがとう』をいうのがセットになったらいいな。